小島やよいのアートママ奮戦記

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バギーツアー初体験。@水戸芸術館


3月16日、水戸芸術館現代美術ギャラリー「夏への扉」展関連企画
「赤ちゃんと一緒に美術館散歩」に、RQと一緒に参加してきました。

最近増えてきたいわゆる「バギーツアー」、
バギーにこどもを乗せて、親子が一緒に美術館のガイドツアーを
楽しめるというものですが、私もRQも今回が初体験。

申し込むと、事前にとても丁寧なご案内が送られてきました。
「このツアーは、水戸芸術館のご案内係をつとめるATMフェイスのうち、
育児経験や保育士免許を持つメンバーが皆さまのペースに合わせて
ギャラリーでの鑑賞をサポートいたします。」
ふむふむ。心強い。


当日朝、余裕を持って準備して出かけたつもりが、上野駅に着くと
乗車予定の「フレッシュひたち」発車まであと2分!えーっ!!
焦りに焦って、バギーと荷物を背負い、RQを抱きかかえて走る!
「ほらー、特急ひたちだよ」とじっくり見せながら乗車するはずが、
「すみません、乗ります!!」と叫ぶ羽目に…。
でもなんとか、乗れました。

おそらくここで私が焦ったのがいけなかった。
RQは車窓から見える電車だのコンテナ車だのに喜びつつも、何か機嫌が良くない。
水戸駅で降り、タクシーに乗って水戸芸術館へ。
案の定、RQは降りたとたんに中庭で走り回る。
「あ、お水!お水すごいよ!」と喜んでいるけど、
集合時間をもう過ぎているので「行くよー」と抱きかかえる。

やっと、担当の方たちにごあいさつ。
控え室にはおもちゃやお絵描きの道具などが置いてあり、
今度はそれで遊びたいRQをなんとか促して展示室へ。

他の参加者の方たちはすでに中で観始めているもよう。
私たち担当のフェイスの方と、そのほか1〜2人がつかず離れず、
バギーを運んでくださったり、RQの様子を見計らって
「RQくんみていますから、お母様どうぞゆっくり鑑賞されてください」
と声をかけてくださる。
ありがたい。オープニングの時にじっくり観られなかった作品が観られる。
ご自身もRQと同じ年頃のお子さんのママという、担当のフェイスの方は、
私を気遣ってくださりつつ、作品や作家の解説をしてくださる。
それが長年、この仕事をされている経験に裏打ちされた的確なガイドである
と同時に、専門家が観るのとは違う観点でのお話や、現場ならではのお話を
交えてくださるので、とても参考になった。
(先の「夏への扉」展レビューでご紹介したお話も、彼女から聞いたのでした。)

途中で他の参加者の方たちに追いつく。
それぞれのペースで鑑賞していて、こどもたちが泣いたりすることもなく
静かに和やかに時間が流れていきます。
…と、映像インスタレーションの泉太郎の部屋でRQが泣き出す。
「こわいの!このお部屋イヤなの!」と、私にしがみつく。
大きい子になると、TVゲーム感覚でおもしろがって観ているという
作品で、TVというメディアへの介入の仕方がおもしろいのだけど、
確かにどこか禍々しい感じ、イヤな感じというのが心の隅に残る。
という印象は、前回観た時に持っていたので、
(その感じを残すところが、この作品のすぐれた点でもあるのだけれど)
「なるほどなあ」と思いつつ、部屋を出る。
特にRQは今、家でテレビを観ていても、絵本を読んでいても、
喧嘩や戦いのシーンとか、怖かったり怒ったり叱られたりかわいそうだったり、
という場面に「イヤなの!観ないの!」ととても反応するので、
仕方がない。

変わって田中功起の部屋では、RQは私と離れても平気で、
スニーカーが階段を落ちてくる映像が特に気に入ったらしく、
嬉しそうに観ている。
カラフルなインスタレーションのほかの部分も気に入ったようで、
「まだ見たい!」となかなか部屋から出ようとしない。

この、2つの作品への反応の違いがなかなか興味深かったのでした。

実はその後RQが「びじゅつかん、もういきたくないの」
と言い出してしまい、困っています。
つい2日ほど前も、PCで「おんなのこの絵、みたい」と言うので
奈良美智+graf展の画像を見ながら
「また美術館、行こうか」と訊いてみると
「RQ、びじゅつかんはね、あんまりすきじゃないの」。
「そう、でもね、楽しい美術館もあるんだよ」
「うん…ピンクのびじゅつかんは、すき!」
ピンクの美術館…??A to Zのことかなあ?

バギーツアーそのものは、とても楽しかったし、
「子連れであることを負い目に感じず、堂々と鑑賞できる」
晴れ晴れとした感覚は新鮮でした。
というか、実はいつもは気にしながら見ていたんだ(やっぱり)
ということを自覚。
今後も参加してみたいと思います。
水戸芸術館のツアーは、控え室などの配慮も行き届いていて、
近くに住んでいたら毎回参加したいくらいでした。
そしてさりげなく、鑑賞の手助けをしてくださり、
RQと遊んでくださったATMフェイスの方々、
高校生ウィークの参加高校生の方々に感謝。

RQはそのうちまた、「びじゅつかん、すき」になってくれると思うので、
焦らず気長に、好きそうなところから連れて行くつもり。
でも映像インスタレーションは、当分、ダメかも…。

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