小島やよいのアートママ奮戦記

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マルレーネ・デュマス「ブロークン・ホワイト」@東京都現代美術館

4月13日にプレスプレビューがあり、行ってきました。
マルレーネは肝っ玉母さんふうの、明るい人。
記者会見での受け答えも真摯で、チャーミングだった。
作品から受ける暗いイメージと本人とのギャップについて、質問が出たけれど
「つくるという行為はポジティヴなもの」と言い、
決してネガティヴなところから描いているわけではない、と。

発売中の『VOGUE NIPPON』5月号、「Very Vogue」のコラムに
「絵画の底力」と書いたのだけれど、それは間違ってなかった、
と確信できる展覧会。
絵画でなければできないことがある。
それを改めて、強く思ったのでした。
(7月1日まで。http://www.mot-art-museum.jp

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作品は、彼女の重層的で複雑な思考を経て、現われてくる。
死や人種問題、ジェンダー、テロリスト、男女やこどもの裸、ポルノグラフィ…
題材はスキャンダラスに見えたとしても、それは決して単純な、
ステレオタイプの取り上げかたじゃない。
たとえ暗く、絶望的なモチーフが描かれていても、
彼女の作品とずっと対峙していると、妙に落ち着く感じがして、
それは彼女の思考を支える、愛のようなものに包まれるからかな、と思った。
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今回、荒木経惟さんの写真からインスピレーションを受けた新作が
「ブロークン・ホワイト」。首の折れた白鳥の絵と並んで展示してある。
Brokenと、whiteと、それぞれの言葉にも重層的な意味が読み取れる。
荒木さん、1Fの作品を観て「いいねー、はじけてるね!」と笑顔。

ところで3F展示室の空間が、いつもよりスカーンと抜けた感じ。
最初は気がつかなかったのだが、床の木材の色が変わっていて、
いつも無意味に天井が高いなと思っていた部分に、白い紗幕が張られて
プロポーションのよい、ソフトな空間になっていたのだった。
これでこそ現代美術館!拍手です。
やっぱり作品をベストの状態で見せるのに、空間づくりは大事だから。

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