小島やよいのアートママ奮戦記

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教育再生会議っておかしくない?


連休中に、教育再生会議が「子育て指南」提言
(正確には、「子育てを思う保護者そして皆さんへ」というタイトルだった)を
連休明けに行うというニュースを聞き、その内容に愕然とした。

早寝早起き朝ご飯の習慣を
赤ちゃんの目をのぞきこんで子守唄を歌う
授乳中はテレビを消し、赤ちゃんの目を見つめて
乳幼児には一人でテレビを見せない
こどもにウソをつかないように教える
などといったようなこと…。

ぜんぜん、現実に即していない!こんな時代錯誤的な提言が通ってしまうのか!?
と暗澹たる気持ちでいたのだが、
さすがに見送られたというので少しホッとした。
「高みにいて人を見下したような訓示とかは,あまり適当じゃない」と
伊吹文科相が言ったそうだが、ほんとにそうだ。

私の反論です。

早寝早起き朝ご飯。
それはまず親の生活から改めねば実現しないわけで。
ということで、なかなか実現できてないけど努力している。
でも去年からまず東京都がこれを言い出して、それだけでも
なんだかプレッシャーをかけられて、いやな気分だ。

授乳について。
母乳が出ないとか,ほかにも何らかの理由で母乳育児ができない人もいる。
それに、赤ちゃんの目を見つめようにも、
うちの子はほとんどいつも目を閉じてオッパイを飲んでたので
なんだか手持ち無沙汰になり、小さい音でテレビを観たりしていた。
じゃないと眠くなっちゃうんだもん!
実際,気がつくとオッパイ出したまま母子ともども寝入っていることが
しばしばであった(苦笑)。

テレビについて。
視力への影響もあるし、なるべく長時間テレビを見せないようにしてるけど、
赤ちゃんのうちはともかく、ハイハイしだしてからは、
食事の支度中とかはテレビ(というか幼児番組などのビデオ)を観ててもらわないと、
いつになってもごはんが食べられない。
おんぶして家事をするには家が狭すぎるし(かえって危険)、
こども一人でテレビを見せるなって言われたら、
「じゃあ誰がみててくれんのよ!」と暴れるぞ、私。

歌を歌う。
子守唄は「歌わなくちゃ」と思って歌うもんじゃないと思う。
うちの子は「ねんねしなー」と自分で歌ってることもある(笑)
けど、ゆったりした気持ちで、自然と出てくる歌じゃなきゃ
安らぎは得られないんじゃない?
ほかの歌は、よく一緒に歌ってるけど、最近は私がフンフンと歌ってると
「うたわないで!」と怒られることがあり(かなしい)
歌ってほしい時は「一緒に歌って」と言うんだけどね。

嘘をつかないように教える。
もちろんです。
が、言うは易し、だよ。大人が嘘をつくんだから。
これについては、私はドロシー・ロー・ノルト著『子どもが育つ魔法の言葉』が
とても参考になります。
「親が正直であれば,子どもは,正直であることの大切さを知る」。
そして、ウソも方便になることも含めて、こどもとどう接するか、考えさせられる。
この本がいいのは、具体的な事例を出しつつ、「ついカッとなってしまったら」とか、
「どんなふうにこどもに問いただすか」とか、
実践に即したアドバイスがたくさん書かれているところ。
そしてその中から、読者がいいと思ったこと、できそうなことを取り入れていけばいい、
失敗しても取り返しはつく。
というスタンスで書かれているところです。
決して「訓示」みたいではない。

・・・・・・・・・・・・・・・
この提言を準備する中心となっていたのは山谷えり子首相補佐官とのことだが、
この人(一男二女あり)、こんな発言をしている。
「少子化対策というと,保育所の整備など働く母親を支援する政策が中心でした。
親の側も,育児の外注化で,安易にこどもを預けてしまう風潮がありますが、
小さいこどもは自宅で家族とできるだけ長い時間,一緒にいたほうがいいんです。」
(産経新聞 平成19年1月1日)

こういう信念を持ち、人にもそれを説きたいというのを否定も反対もしないけれど、
すべての人に当てはまるわけじゃない。
「安易に預けてしまう」だなんて、
すがる思いで保育園に子どもを預けて働いている人たちに失礼だ。
働く必要があるから、悩んだり辛い思いをしながらも働いてるんだから。それに
「経済界は、短時間勤務や在宅勤務、育児休暇の取得推進など,
子どものことを考えた就労携帯をもっと考えてほしいと思います」(同上)
という発言も、ごもっとも。大事なことである。
が、いわゆるお勤めの人のことしか考えてないよね。
私のようなフリー稼業は少数派でしかたないかもしれないけど、
世の中には、個人商店とか農業とか、企業に守られることなく働く人がたくさんいるはずだ。

こどもには一人一人個性があり、親にもそれぞれの事情や考えがある。
子育てだって十人十色だ。
もちろん、児童虐待は親の問題、許されることじゃない。
荒れる小学校の原因も親の問題が大きいのだろう。
でも、こんな状況になった原因は安易な「子育て指南」で
解決されるものじゃないんじゃない?
それを、国の提言として国民に押し付けるなんて、まっぴらご免です。

今の教育の問題は、確かに深刻で、すぐに手を打たなければいけないと思う。
でもこの教育再生会議の動きをみていると、
かつて安易に「ゆとり教育」を導入して失敗したのと
結局は同じ流れなんじゃないかと思ってしまう。
机上の論理や理想論が多くて、実際にその矢面に立たされている人の意見は
あまり反映されてない気がする。
ヤンキー先生が委員に入ってるなら、
「ワタハン」4児の母、内田春菊先生も委員に入れるべきだ!
と私は思います。

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