小島やよいのアートママ奮戦記

« RQと夏休み | home | お知らせ »

「自画像の証言」@東京藝術大学大学美術館 陳列館ほか

昨日(9月7日)、芸大美術館に行ってきました。
「金刀比羅宮 書院の美 —応挙・若冲・岸岱 —」展と
「東京藝術大学創立120周年企画 芸大コレクション展
 — 歌川広重《名所江戸百景》のすべて」
が9月9日終了なので、焦って観に行ったのでした。
http://www.geidai.ac.jp/museum/

「自画像の証言」展は9月17日まで。入場無料!

こんぴらさんの障壁画はすごかった…
実は数年前にお参りしたことはあるのだけど(石段上りのキツかったこと!)
名高い書院も宝物館も高橋由一館も観ていない(なんと。苦笑)
展覧会場は予想通りとても混んでいて、若冲の襖絵のホンモノを、
上から下までじっくり見たいけど無理。
でもアクリルケース越しだけど、若冲の花の絵を、
息がかかるくらいの距離で観られるのは幸せである。

そう、書院の空間を,そのスケールで再現しつつも、ホンモノは一部のみ。
あとはキヤノンの精巧な出力によるレプリカの展示なのである。
でも疑似体験には十分。
というか、「やっぱり実際に行ってみないとな」との思いを強くする。
応挙の虎はかわいい。虎というより虎の子。猫に近い。
個人的には、岸岱より応挙と若冲。
あと、「こんぴらふねふね♪」を思わず口づさんでしまうような、
地下2階の展示もよかった。「ぞうずさんこんぴらだいごんげん」って
子どもの頃意味もわからず歌ってたのが、今頃「あ、そっか」という感じ。
絵馬の絵もいい。
海を渡るということが、どれだけ大変なことだったか、と思いを馳せる。

やっぱりちゃんと、こんぴらさんに行きたいなあと思って検索したら、
こんぴらさんサイトすごい!

http://www.konpira.or.jp/

そして10月1日から「書院の美」展は現地に「巡回」、
しかも<伊藤若冲筆「飛燕図断片」が約160年ぶりに金刀比羅宮へ里帰り>して
初公開される。うう,行きたい。。。

さて、こんぴらさん展を後にして、広重の名所百景、
100どころか120も展示されている。
一挙に観たのは初めてで,ちょっと興奮。
ゆかりのある場所を見つけると,キャプションを一生懸命読む。
そして「百景中、唯一の想像画」大晦日に江戸中の狐が集まって狐火をともしている
「王子装束ゑの木大晦日の狐火」。観たかったのです。
狐とか,時々出てくる犬猫とか、かわいいのである。
江戸の風景、いいなあ。
故・杉浦日向子さんとか、田中優子さんとか、実は憧れてます。

最後に陳列館の「自画像の証言」展を観る。
200709080320000.jpg
芸大美術専攻科は、卒業制作に自画像ともう一点が課題として出される。
その自画像は、大学が買い上げて収蔵している。
これは、黒田清輝が油画科の教授を務めていた明治31年から続く伝統。
戦後に一時途絶えたものの、現在でも行われており、今や総数は5000点近い。
5000人の、芸術を志した人たちの自画像。
考えただけで息苦しいような、重みである。
8月にNHKで特集番組が放映され、そのプロデューサー河邑厚徳氏による著書
『藝大生の自画像』(NHK出版)も読み応えあり(まだ一部しか読んでいない…。)

以前、高名な近代の作家の自画像がある程度まとまって企画展に展示されたことがあったが、
今回は最新の、2006年の卒業生の作品まで含まれる。
実際に、「私」をみつめる画面と向き合っていると、特に戦前、戦中までの作品からは、
叫びのようなものが聞こえてきて、真正面を向いている自画像が多いこともあり、
とてもさらっと流すようには観られない。

2階の現代の展示に行くと、正面の顔だけでなく、横向きや抽象的な表現が増えてくる。
在学中に使っていたケータイを自画像として提出した人もいる。うん、よくわかる。

今ではよく知ってる顔にも出会う。
川俣正さん。
村上隆さん。
松井冬子さん。…
それぞれ、その後の活動を思えばなるほどなと、強い印象を残す力作だ。
観られて良かった,と思う。
特に村上さんは、青春の焦燥感と無力感がいっぱいの自画像。
現在の活躍の原点は、ここにあるのだなと。

その村上さんが青春を賭けていた芸祭が、ちょうど始まっていた。
台風の影響もあるだろうけど,初日はまだ準備中な感じ。
土曜の夜は盛り上がるのでしょう。。。
GEISAIの原点もここにあり。
200709080319000.jpg
200709080317000.jpg

トラックバック

このエントリーのトラックバックURL:
http://artmama.lammfromm.jp/weblog/mt-tb.cgi/102